とりとめがない



賢い犬リリエンタールはとても面白いよ、という話。

「賢い犬リリエンタール」があまりに面白すぎるんです。
もう今週の31話は、叫びだしたいのを堪えつつ、床をバンバン叩いたり、目から体液を出したりしながら読んでました。ニヤニヤが止まらないキモい人でした。ごめんなさい。反省はしてない。


この漫画は、登場人物は皆いい人で、賢い犬がかわいくて、健気で、読んでいて癒されるハートフルコメディ・・・
でもまあ間違っていないんですが、それだけではないこの作品の魅力について書こうと思います。
「賢い犬リリエンタール」における、自分の世界を手に入れる戦い。

この物語は本当に、優しい人物ばかり出てきます。
しかし同時に、「まえは石のゆかでしたので」などの台詞に垣間見えるのは、辛辣な世界観。
もう、リリエンタールが可哀想で・・・だからこそ幸せになって欲しいし、人々の優しさがこれでもかと目頭を攻めます。
さらりと伏線を回収する上手さとか、魅力的なサブキャラ、面白い台詞回しとか他にもたくさんありますが、このギャップこそがこの漫画の最大の魅力だと思っています。
あ、これって世界名作劇場とかと同じ手口ですね・・・


この物語にはまず、賢い犬とてつこが登場します。兄はオマケです。
日野家長女、てつこはトラウマを持つひきこもりの小学生。
そのトラウマとは「みんなが私を変人扱いする・・・」というもの。
なんだそんなことと思うかもしれませんが、まだ小学生のてつこにとってはそれ以来学校に行けなくなる程のショックな出来事でした。「私は普通じゃないんだ・・・」
そんな中現われた「新しい弟」は喋る犬!?
「普通の人は犬の弟なんていない!お前なんか弟じゃない!!この犬!」


一方賢い犬のリリエンタールは生まれてからというもの、実験動物として扱われ、暗くて寒い場所に監禁されている存在でした。
これが他の漫画なら「人間に復讐してやる」となるか、心を閉ざしてしまうかするところです。
でも、リリエンタールはそうはなりませんでした。
はかせが約束してくれたから。「今がどんなにつらくても、あきらめちゃだめだよ。きみがあきらめないなら、必ず僕たちがここから出してあげる。君に本当の世界をあげるよ。」
約束どおり、はかせ=日野父に助けられ、日野家にやってきたリリエンタールには新しい世界は輝いて見えました。
優しい兄、ちょっと怖いけど優しい姉。あたたかいふとん、おいしいごはん。奇妙な友人達。あいぼう。テレビ。かっこいい自転車。。。
なんて素敵な世界・・・!!もうあんな暗くて寂しいところには戻りたくない!!わたくしは、日野家の一員になりたいのです!!


てつこだってもともとそんな性格の悪い子ではありません。むしろ優しいいい子なんです。
てつこは無邪気なリリエンタールと触れ合う内に、徐々に心を許していきますが・・・どうしても「弟が犬」という一点だけは受け入れる事ができません。
それが、中盤で訪れる「ある重大事件」をきっかけにてつこはリリエンタールを弟として受け入れはじめます。
ついにリリエンタールは優しさに包まれた輝ける世界を手に入れるのです・・・


これがファンの間では批判されがちな「リリエンタールとあんこくまじん」のエピソードです。
打ち切りと背中合わせのジャンプサバイバルレースという世界の中ではただ長いだけの悪手だったけれども、物語としてはこれ以上無い重要な話だったんです。
作者は、テコ入れで無理に話を捻じ曲げて息を伸ばすよりも、物語の質を上げる方に生き残りを賭けたのだと思います。
どちらが正解だったかはわかりません。無理にテコ入れをしても人気を盛り返す事のほうが稀だし。


物語は後半、世界を手に入れる戦いから、世界を、家族を守る戦いにシフトしていきます。
怒涛のSF展開とそれまでのすべてをぶつけてきた最終決戦。涙無しには読めません。

次号、最終回。。。?


賢い犬リリエンタール 1 (ジャンプコミックス)

葦原 大介 / 集英社


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by kenzy87 | 2010-04-26 18:34 | マンガ | Comments(0)
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