鶴田謙二の久々の新刊は、梶尾真治の同タイトル小説のコミック化でした。
帯の文章が「鶴田謙二5年ぶりのコミックス!」(笑)
どうしようもないなあこの人は・・・とかいいつつもこの人の新刊が読める事を嬉しく思います。
遅くてもいいものを描いてくれるんですよね。
5年に一冊で食べていけてるのかと他人事ながらに心配。
ストーリーは、SF好きの青年が船の上で出合ったエマノン(No nameの逆読み)というミステリアスな女性は、実は地球に生命が生まれた時からの記憶を持っていて。。というもの。
叙情的というか、このせつない雰囲気は日本のSFならではだなあと思います。
そこにきて鶴田さんの絵が、というよりは鶴田さんのエマノン像がはまりすぎて!
鶴田謙二さんの描く女性っていつもすごく素敵なんだけど、
ストーリーがまたすばらしいのでこの本はダブルで素敵なんです。
パイロット版の「エマノンの思い出」(オールカラー)や、旅をするエマノンを描いた「エマノンのさすらい」も収録。表紙を外した所のカラーイラスト等等、もう隅々まで素敵。
"おもいで"と"記憶"って別モノですよね。
覚えていてくれてありがとう。の一言にキューンときました。
表紙を見て「なんか良さそう」って思った人なら読んでみて損はしないと思います。